今の仕事に不満がある。会社を辞めたい。
もっと条件のいい会社があるんじゃないか…
でも転職して後悔したらどうしよう…
そう思いながら、日々働いてる人は多いのかもしれません。
転職で後悔しないためには、条件や勢いだけで決めるのではなく、「自分にとって何が大切か」を明確にしておくことが不可欠です。
この記事では、私が「閉塞感から勢いで転職し、後悔した経験」を振り返りながら、これから転職を検討する人が同じ失敗を避けるための視点をお伝えします。
辞めたい気持ちがある方こそ、一度立ち止まって読んでほしい内容です。
条件だけで選んだ転職で、なぜ後悔したのか
当時、私は「今の会社から抜け出したい」という思いが先行していました。
やりがいが感じられない、成長実感がない、閉塞感がある…。
そんな状況を変えたくて、「もっと刺激的な環境に行けば、自然と変われるはず」と思い込んでいたのです。
「刺激がありそう」「成長できそう」…理想だけで飛び込んだ
当時の私は、ベンチャー企業=これから新しい市場を作っていく刺激のある環境、というイメージに強く惹かれていました。
「スピード感がある」「新しいことに挑戦できる」「フラットな組織」など、採用サイトに書かれていた言葉にポジティブな印象を抱き、そのまま理想を重ねてしまったのだと思います。
正直、給与や福利厚生などの条件は下がることになったのですが、「このまま同じ会社にいても未来が見えない」「ここに行けば自分も変われるかも」という気持ちが強く、気づけば入社を決めていました。
入社後すぐに感じた“違和感”
ところが、入社してすぐに現実とのギャップに気づきました。
スピード感があるというより「常に手探り」、フラットな組織というより「責任の所在が曖昧」だったのです。
さらに、仕組みが未整備な中で、いきなり成果を求められたり、役割が毎週のように変わったりと、心身ともに休まる暇がありませんでした。
前職で感じていた“閉塞感”とはまた違った、“どこに立っていていいのか分からない不安”に、日を追うごとに疲れていきました。
「自分が心地よく仕事をできる環境とは何か」を考えていなかった
今振り返ると「どんな職場なら自分が心地よく力を発揮できるか」を、深く考えずに転職を決めていたことが最大の失敗でした。
振り返って気付いたのですが、
私はどちらかというと、タスクを整理して、それぞれの役割分担をしっかり段取りして、仕事を進める方が心地よく力を発揮しやすいタイプです。
その自分の性質に気づかず「今の場所が合っていない=とにかく新しい環境に飛び込むしかない」と思い込んでいたことが、後悔の原因だったのだと思います。
転職は“逃げ”ではなくても、“焦り”や“思い込み”が伴うと、本質を見失ってしまう。
この経験を通じて、私はようやくそのことに気づきました。
ベンチャー転職でわかった、自分の“合わない働き方”
転職した当初は、「慣れればなんとかなる」「これが成長ってことなんだ」と自分に言い聞かせていました。
でも数ヶ月経っても、仕事に対するしんどさは減るどころか、むしろ日々増していくばかり。
「ここが自分には合っていないのかもしれない」と認めざるを得ない瞬間が、何度も訪れました。
フラットな組織=全員が自律している、とは限らない
ベンチャー企業というと、上下関係が緩やかで自由な雰囲気があり、「年次に関係なく意見を言える風通しの良い職場」といったポジティブなイメージを持っていました。
でも、いざ入ってみると、“フラット”とは名ばかりで、実態は「誰が何を決めるのか」が曖昧な状態。
メンバー全員が自律的に動けるわけではなく、判断や調整ができる人に業務が集中するような場面も多々ありました。
その結果、私自身も人と役割の隙間を埋めるような動きを求められることが増え、「組織がフラット=皆が自律的に責任を果たし合っている」というのは誤解だったと気づきました。
仕組みがない中での判断の日々に疲弊
入社当初は「自由に任せてもらえるのはありがたいこと」と前向きに捉えていました。
けれど実際には、業務フローや役割分担、意思決定のルールといった「前提となる仕組み」が整っていない状態で、日々の判断と実行を求められる状況が続きました。
「何から着手すればいいのか」「どこまで自分で判断していいのか」が明確でない中、細かい判断の積み重ねに思った以上にエネルギーを消耗。
仕事そのものに集中する前に、働くための“足場”を自分で組み立てなければならない感覚があり、知らず知らずのうちに疲弊していきました。
以前の職場では、仕組みがある程度整っていたからこそ、自分の業務に専念できていたのだと、このとき初めて気づきました。
挑戦したかったはずなのに毎日つらい
転職を決めたとき、私は「もっと新しいことに挑戦したい」「自分を成長させたい」と強く思っていました。
でも、実際に環境が大きく変わってみると、“挑戦”という言葉が、目の前の苦しさを正当化するための言い訳のように聞こえてくる瞬間が増えていったのです。
「これはまだ慣れていないだけ」「乗り越えれば成長できる」と自分に言い聞かせていましたが、
気づけば、毎日のタスクをさばくのに必死で、余裕もなくなっていました。
挑戦したかったはずなのに、自分の強みを活かせず、ただ耐えるだけの日々になっていた。
この違和感を放置していたら、もっと心がすり減っていたと思います。
転職に迷ったときに立ち止まって考えてほしいこと
「このままでいいのかな」「もっと自分に合う場所があるのでは?」
そんなふうに思い始めたとき、すぐに転職活動を始めるのも一つの選択です。
けれど焦って環境を変えようとする前に、一度立ち止まって自分にとって本当に大切なことを考える時間を取ることも、同じくらい重要だと感じています。
「理想の会社」より「自分が心地よく活きる場所」
転職に失敗した経験を通じて痛感したのは、「理想の会社」を探す前に、「自分が心地よく働ける条件やスタイル」を言語化しておくべきだったということ。
「裁量が大きい方がいい」「フラットな組織がいい」――そう思っていたはずが、実際には“判断の多さ”や“役割の曖昧さ”に疲れてしまった。
つまり、世の中で言われる“良い会社像”が、自分にとっての正解とは限らないということです。
転職先の“条件”や“理念”だけでなく、「自分はどんなときに自然体で働けていたか」という感覚に目を向けることが、納得感のある選択につながります。
環境を変える前に、できることがあるかもしれない
「辞めたい」という気持ちが芽生えると、すぐに“今の職場を離れる”ことばかりに意識が向きがちです。
でも実は、転職という“外の選択肢”に目を向ける前に、今の環境で調整できることもあるかもしれません。
たとえば、仕事内容のバランスを上司に相談してみる、得意な業務を増やせるよう提案してみる、チームのコミュニケーションの仕方を見直してみる――
そんな小さな働きかけで状況が変わることもあります。
私自身も、転職する前に、もっと踏み込んで仕事の中で役割や進め方を変えていくことを試していればよかった。と後悔しました。
ChatGPTでできる“自己対話ワーク”のすすめ
とはいえ、「自分が何を大切にしたいのか」「何がしんどいのか」をいきなり整理するのは難しいもの。
そんなときにおすすめなのが、ChatGPTを使った自己対話ワークです。
話しながら思考を整理できるので、「考えがまとまっていないけど、なんとなく話してみたい」くらいの気持ちでもOK。
ChatGPTが投げかけてくれる問いに答えていくだけで、頭の中のモヤモヤが少しずつ言葉になっていくのを感じられるはずです。
詳しいやり方は、こちらの記事で紹介しています。

まとめ|転職は手段。後悔しない選択のために必要なこと
「今の仕事が合わないかもしれない」「環境を変えれば、何かが変わるかもしれない」
そう思うこと自体は、決して悪いことではありません。
でも、“転職すれば解決する”という思い込みのまま動いてしまうと、同じようなモヤモヤを繰り返してしまうこともあります。
大切なのは、転職を目的にするのではなく、「自分にとって心地よく働ける場所を見つけるための手段」として捉えること。
そのためにはまず、自分と丁寧に向き合う時間が必要です。
転職を「解決策」にしないために自分と向き合う
今回、私が転職で後悔した理由のひとつは、「今の環境を変えたい」が先行してしまい、“何がイヤか”だけに目を向けていたことでした。
「今の環境が合っていないから、きっと別の場所ならうまくいく」と信じていましたが
結局は自分の性質や価値観を深く理解していなかったことで、環境が変わっても同じような壁にぶつかってしまいました。
転職で後悔しないためには
「本当はどんな働き方が合っているのか」「何を大事にして生きたいのか」といった問いと、自分なりの答えを少しずつ持つことが必要だと思います。
「自分基準の軸」を持てれば、どんな選択も納得できる
年収や肩書き、企業の評判――そういった「外側の条件」ではなく
「自分が自然体でいられる」「やっていることに意味を感じられる」
そんな自分基準で働き方を選ぶ視点が、これからますます大切になると感じています。
もちろん、すぐに答えが出なくてもいいと思います。
ChatGPTで自己対話をしてみる、気になる人の働き方を調べてみる、小さな行動を積み重ねる――
そうした一歩一歩が、あなたにとって納得できる選択につながっていきます。焦らず、自分のペースで。
「なんとなく違和感がある」という感覚を大切にしながら、次の道を選んでいけますように。